(寄稿)「Voice」2025年9月号

 雑誌「Voice」9月号に寄稿しました。特集「多様性とは何か」の一部です。私の寄稿した論考のタイトルは「「性別らしさ」への期待と限界」です。トランスジェンダーの人たちは、出生時の指定とは反対側の「性別らしさ」を好む人たちとして、単純化されて誤解されていることがよくありますが、まずはそれは誤解だということ、むしろ実際には、シスの人たち以上に「性別らしさ」とは難しい交渉を強いられていること、そして最後に、昨今「性別らしくない」人間を監視し、排除することで偽りの「安全」を主張する人たちの声が大きくなっていますが、そのことがもたらす危険な弊害について書きました。
 相対的にはすこし保守よりと認識している媒体からお声かけ頂いて、寄稿できたのはありがたいことでした。同号にはトランスジェンダーに絡めて事実認識もあやふやでぼんやりした敵対的イメージに基づく記述をふくむ原稿も寄稿されていますが、私の原稿でいろいろと靄が晴れるとよいなと願っています。