2025年6月10日。群馬県渋川市の人権教育研究会にて講師を務めました。演題は「LGBTQの人たちが安心して過ごせる学校園」。市内の幼稚園~中学校の先生方が集まる研究会のなかで、お仕事をさせていただきました。
講演では、人権に関する議論が優しさや思いやりに終始しがちなことへの反省を踏まえ、社会における構造的な排除と、そうした構造的背景から生まれる人権侵害があるということに力点を置きました。一人一人の児童・生徒が学校・園でどんな経験をするのかは、一人一人に違いがあり、一人ひとりの事情があり、背景があります。しかし他方で、集団として見たときLGBTQの子ども・若者は不登校・引きこもりを経験する率が高く、いじめ被害にも遭いやすく、最終学歴も低くなる傾向にあります(もちろん学校に通ったり進学すること自体がそれ自体でよいことであるわけではないので注意は必要です)。講演では、そうした排除が幼少期から青年期まで続く背景として、LGBTの人々を不在のまま設計された学校・園の環境があることに注意を向けていただくことを目指しました。
講演後は、教育委員会の担当の方が作ってくださったモデル事例をもとに、参加者の方々がディスカッションを行い、私はその様子を拝見させていただいたり、自分なりの視点からモデル事例についてコメントしたりしました。
とにかくご参加の先生方の熱意がすごく、時代は変わったんだな…と思う1日でした。
なお、渋川市にお招きいただくのはこれが2度目です。昨年にも、渋川市生涯学習課さんにお招きいただき、やはり学校関係者を対象としたLGBTQについてのお話をしました。このとき参加してくださっていた市内の校長先生が、今回の企画の後押しをしてくださったようです。お招きいただいたことに深く感謝いたします。(下の画像は、スライドの1部です)
