(講演報告)八尾市人権協会記念学習会

 2025年6月11日。八尾市人権協会事務局にお招きいただき、やはり同協会が事務局を担う「世界人権宣言八尾市実行委員会」の記念学習会に登壇しました。講演題は「女性差別撤廃条約日本審査から見えた日本のSRHR課題」。昨年ジュネーブに渡航するまでの活動や、女性差別撤廃委員会に提出したレポートについて、そして対面審査における日本政府代表団の回答についてなど、SRHRに関する活動に取り組む立場からお話ししました。
 私は大学の仕事があるため、やむなく群馬からオンラインでの登壇となりましたが、講演後は会場の皆さんから多くの質問が寄せられ、とても興奮する時間を過ごさせていただきました。なかでも、2023年の性同一性障害特例法に対する最高裁の違憲判決が、憲法13条に異に反した身体的介入を受けない権利を憲法上の権利として確立させ、それが2024年の優生保護法違憲判決の一助となっているという指摘が参加者の方からあり、そう!SRHRの問題は繋がっている!ということを確認できたのは良かったです。
 なお、そこでの回答でも申し上げた通り、最高裁はまだ「生殖の権利(reproductive rights)」を憲法上の人権として認めまていませんが、2019年に優生保護法に違憲判決を下した仙台地裁は「リプロダクティブ権」ということに言及しており、女性のSRHRやLGBTQの人々のSRHRについて考えるときに、優生保護法を巡ってどのような議論や判決が積み重ねられてきたのかということは常に参照に値すると個人的には考えています。
 今回はなにより、パワフルな運営とパワフルな参加者と出会うことができ、「八尾、面白い」となりました。また機会があれば、八尾の皆さまにご挨拶したく思います。
 下の画像は、講演資料の一部です。