(講演報告)日本PTA全国研究会分科会

 2025年8月22日。日本PTA全国研究会(石川大会)の第4分科会(人権教育)にて、基調講演を行い、ディスカッションに参加してきました。講演題は「多様性は『ある』けど『ない』--ジェンダー平等と子どもたち」とし、性別をめぐる「当たり前」を必ずしも充足しない子どもたちが、そうした当たりまえを強いてしまう学校や社会、そして家庭のなかで健やかな成長を阻まれてしまうことがあるという現実は、人権課題として解決していかなければならないといった話をしました。
 分科会は、私の基調講演に加えて、助産師の植田幸代さんによる性教育の実践のお話し、またNPO法人「ASTA」の松岡さんと松本さんのお話があり、その後4人でディスカッションを行いました。思春期のお子さんを育てておられるかたちにとって、家庭の安全をどのように守るか、そしてすべての子どもの健やかな生活を守るために地域と学校にどのようなことを求めていけるかというのは重要性のあるテーマであるということを、参加者の方たちの視線と雰囲気から改めて感じました。
 今回、日本PTAという組織の全国研究会にてジェンダー平等と性の多様性が「人権」課題として選ばれたことは、小さくない意味をもっていると考えています。LGBTQの子どもたちは、確かにいます。地域や(他の)保護者の理解があろうとなかろうと、LGBTQの子どもたちは今日も生きていますし、生きていかなければなりません。ディスカッションの場で私は、子どもたちの命に色はついていないということを述べました。この石川大会をきっかけに、子どもたちの命と健康がよりいっそう守られる社会が作られることを願っています。